
言わずとも知られる、Appleの商品デザイナーです。
初代iMac以降、最新のiPhone6&plusやiPad Air2&mini3まで、
数々の商品のデザインを、彼が手がけてきました。
デザインには特別なこだわりを持っていたと言われる、
スティーブ・ジョブズと直接関わってきた彼は、
再生と躍進を遂げた、今世紀のAppleを最も良く知る人間のひとりです。
そんな彼が、アメリカの雑誌Vanity Fairが開いたイベント、
に登壇、編集長とのトークショーで語った内容が、
実に興味深い内容でしたので、紹介してゆきたいと思います。
・Appleのデザインチームについて
「チームは、16人か17人程度。自発的に辞めた人間はいない。」
あのAppleのデザインを手がける為のチームが、とても少人数なことに驚かされます。
「自発的」な辞め方でないとは、なんでしょう。やはり、ジョブズがらみなんでしょうか?
・「思わず、やった!と叫びたくなるような瞬間はありましたか?」という質問に対して。
「送り出したばかりの電話(注:iPhone6)です。
触ることができるものを見た時は、特別な瞬間でした。
すべてが変わってしまう。いつもそうです。
今でも最初のモデルを手にする時は、驚きとドキドキがあります。」
新しい商品を作り出す喜び、彼の強い気持ちが感じられます。
いつも新鮮な気持ちでいる事、それがデザインへの原動力のようです。
・「iPhone6で、丸みを持たせたふちに戻したのはなぜ?」という質問に対して。
「数年前に、大画面のプロトタイプを制作した時、
多くのライバルが今もそうであるように、不格好だったからです。
大画面が大切な事は、前から気づいていましたが、
魅力的な商品にする為には、すべき事がたくさんあったのです。
iPhone6の丸みを持たせたふちは、幅広さをあまり感じさせないためなんです。」
確かに、角張っていたら、今以上に大きく感じてしまいそうです。
ともすると見過ごしそうな部分をおろそかにしない、
これがAppleが、Appleである所以なのでしょう。
そして、他社のデザインを不格好と言い切ってしまうのには驚きです。
自分たちのチームの仕事に、強い自信と誇りがあるからなのでしょう。
・「機能とデザインのバランスをどうとっていますか?」という質問に対して。
「機能しない、美しいだけの製品は、醜いものです。
ベストなのは、機能とデザインを完璧に調和させる事です。
私が考えるデザインとはそれが全てです。
商品がちゃんと動作してこそ、美しさもあるのです。」
スティーブ・ジョブズが持っていた拘りに、通じるものを感じませんか。
すごいですね。見た目だけかっこよくしても、駄目だと。
良いデザインは、ちゃんと動くからこそ、意味があると言うのです。
どうでしょうか。やはり、ジョナサン・アイブ、ただ者ではありませんね。
今まであまり知られていなかった人となりを少しは知ることが出来たでしょうか。
この後、スティーブ・ジョブズとの関わりについてもお伝えしたかったのですが、
1回で収まりそうもありません。
すみませんが、この続きは、明日に持ち越しです。
では、また。