
先日来お伝えしてきた、AppleとGT Advance Technologiesのやり合いは、
両社の和解という結果に落ち着きました。
これに伴い、GT Advance Technologiesは、Appleと結んでいた排他的義務を解かれ、
今後は、サファイアガラスの製造を止め、製造設備の提供に注力する事になりました。
また、Appleが、自社製品製造のために融資した金額 4億3900万ドルは、
無利息で数年内に返済するそうです。
とはいううものの、アリゾナ州に建設した工場は閉鎖され、
およそ700人程いた従業員は解雇される事に。
以前、Appleは、従業員の面倒を見る用意があると言っていましたが、
どうなんでしょうか。
これで一安心?
いえ、違います。今度は、別の会社から火の手が上がりました。それも、この日本から。
その会社は、島野製作所。
MacBook ProやAirの電源アダプタMagSafeの技術で、特許を持っています。
この島野製作所が、Appleを特許権侵害と、独占禁止法に違反したとして訴えたのです。
Appleの1次サプライヤーでもあるこの会社が、なぜこのような事になったのでしょうか?
島野製作所の主張はこうです。
・Appleからの依頼で、MagSafe用のピンを開発。生産ラインを整え、増産のリクエストに対応してきた。
・半年後、発注数が激減。実は、別のメーカーに製造させていた事が判明。
・取引再開を求めた処、ピンの値下げを求められ、
かつ、Appleが値下げ前に作らせたピンについても差額の補填を要求。
この主張が正しいとすると、確かにやり方がえげつないです。
以前からちょっと怪しいと思う事はありました。
自分が覚えているのは、iPod背面の鏡面加工研磨についてです。
当初、新潟の職人たちが独自の技術と経験で研磨していたと話題になりました。
しかし、ある時を境に、依頼は激減。
この時も、研磨技術を盗んで、海外の工場に取って代わったと囁かれたものでした。
島野製作所の会長は言います。
「長年のパートナーを訴えるのは心苦しいが、アンフェアは正すべき」と。
確かに正論だと思います。
Appleが作り出してきた商品は素晴らしいものですが、
その過程でこのような騙しに近いような事が行われていたとすると、
全てを台無しにしかねないと私は思います。
この問いかけに、Appleが誠実に向き合う事を、一人のAppleユーザーとして、切に願います。
では、また。