
20世紀に生まれたコンピュータと大容量を記憶する技術は、
私たちの社会を激変させました。
しかし、将来に課題を残す別の問題を生む事になったのです。
それは、記憶されたデータは残っていても、
それを読み取る機械がなくなってしまう事。
技術革新のスピードは目覚ましく、
次々に新しい技術が生まれ、古い技術は消えてゆきます。
データが記録された時点では最新の技術であっても、
あっという間に、時代遅れとなっているのです。
例えば、カセットやMD、VHSビデオにMOディスク。
時代を彩ったメディアたちも、今や利用者は限られており、
記録されたデータを読み取ろうとすると、一苦労です。
個人的なデータならともかく、公的なデータの場合、それは大問題です。
この問題を解決すべく、多くの科学者や技術者が取り組んでいます。
その中で、私の目を引くものがありました。
それは、生物の細胞内のDNAを活用し、データを保存する方法です。
生命の遺伝子情報が納められているDNA。
1g当たり700テラバイト!にも及びとも言われる程の容量になるんだそう。
ハーバード大学の遺伝子教授ジョージ・チャーチ氏は、
DNAの分子コードにデータを記録する技術をの研究・開発を続けています。
その成果として、自署の原稿をピリオドより小さい1粒台の合成DNAに
記録することに成功。
さらに、700億冊の複製を重ねても、
親指大の大きさで納める事が出来たそうなんです。
これは凄い!と思うのですが、そうそう良いことばかりではないんです。
データの記録と読み取りには、特別な研究施設での高価な装置がないといけません。
気軽に使用できるようにする為には、
まだまだのりこえて行かなくてはならない課題が山積しているんです。
では、また。