
前回お話ししきれずじまいでした、Appleの原価管理について、
今日もお話しを続けてゆきましょう。
その1:生産の外注化
Appleの製品の多くは、外注の工場にて組み立てられています。
かつては、自社の工場を構えていましたが、そのほとんどを閉鎖し、
現在は、中国や台湾の会社に委託する形を取っています。
※こちらは、その会社の1つ、Foxconn Technologyです。
Apple の他にも、Dell等とも取引があるそうです。
組み立てを委託することで、
余計な運営コストやリスク等を抑えることができ、
原価を下げる事に繋がるのです。
その2:部品調達
Appleは、商品のラインナップを世界共通かつごくわずかに抑えています。なぜでしょう?
それは、発注する部品の点数を減らす為です。
加えて、各々共有する部品を採用することでより効果的になります。
結果、部品1点に対する発注数が増えるスケールメリットが生まれるのです。
Appleが調達する半導体の点数は、
世界で5本の指に入るほどの規模と言われるほどであり、
この効果は計り知れません。
部品メーカーとの交渉において、このスケールメリットは強い武器になります。
相手から有利な条件を引き出す事に繋がるからです。
そして、時には、新しい技術を用いた部品をまとめて調達してしまい、
他社に先んじてしまい、自社の製品の優位を維持するという戦略も
可能なのです。
どうでしょう。Appleが、実は販売戦略においても優れた会社である事が、
少しは理解いただけたでしょうか。
前回からの繰り返しになりますが、
こうした販売戦略を構築したのが、ティム・クックなのです。
そんな彼が率いるApple。
彼が考える、新たなAppleの姿とはどんなものなのか。
今後の彼の手腕を、見守ってゆきましょう。
では、また。
※おまけ:Appleは、部品メーカーや組み立て工場をサプライヤーとして
Webにて紹介しています。気になる方は、下記のリンクからどうぞ。